木地玩具 Kikuhiro koguma

つる細工

Weaving

西川町で古くから弁当籠など地域に密着した生活用具として作られていた「つる細工」。製作する際に使う道具も少なく、作りやすくて長持ちするため、重宝されてきた。ごくあたりまえの道具だったつる細工が近年ブームとなり、大井沢でも工芸品として製作・販売されるようになる。つる細工の技術は先人から受け継いできたもので、編み方は何種類も存在し、地域の人々の間で主に冬の仕事として行われてきた。大井沢で使用する主な材料は、アケビとブドウのつる。特にブドウのつるで編んだ篭は弾力性に富み、色合いと感触が良く、使えば使うほど艶と味が出る。生活のために作っていたつる細工が東京からも買いにくるほどの人気商品になっている。

FABER月山 ~継承の手・創造の手~

つる細工職人

KOGUMA

Weaving

世界30カ国以上を放浪したのち、西川町大井沢地区に辿り着き、この地域に受け継がれてきた伝統的な手仕事を継承すると決心。かつては何十人といた職人も現在は片手で数えるほどまでに衰退。山葡萄籠発祥の地とも言われている大井沢で技と知識を次世代へと繋ぐ。

STORY

ここで途絶えさせてはいけない、と強く想った

大井沢地区に根付いてきた「ものづくり」の精神に感銘を受ける。山葡萄のツルで編まれたカゴやわら細工、かんじき、ときとと呼ばれる民具などは、すべて先人たちの技と工夫が詰まった手仕事によって作られていた。しかしその一方で後継者不在のままどんどん引退している事実を目の当たりにする。地域に育まれてきたこうした文化が途切れようとしている危機的なこの状況を逆にチャンスだと受け止め、技を持つ師匠たちを訪ねては教えを乞うて、技術と知識の学びを積み重ねている。

大井沢の暮らしが垣間見えるようなものづくりを心懸けている

大井沢地区は豪雪地帯で、冬ともなればゆうに3メートルは雪が積もる。この地に暮らす人々は何ヶ月にもわたって閉ざされた生活をしなければならなかった。そんな厳しい環境のなかで収入源として手仕事が発達し、生き抜く技として受け継がれていった。その生活力、生活の知恵というものがとても人間らしいものだと感じた。これまで世界を転々として様々な旅を続けてきたのも、そういう暮らしに憧れていたから。この大井沢の地でそういう暮らしに出会えたということにはとても運命的なものも感じる。そういった意味で、ただ「ものづくりがしたい」というよりも、この雪深い大井沢でこそ、これをやる意味があるんだと思っている。今後も、このものづくりを継続し、町内、町外、そして県外へと情報発信して、この素晴らしい伝統の技を西川町の強みとして認知してもらえるよう、活動していきたいと思う。

伝統
つる細工職人 KOGUMA

2016年
−2019年
国内外を放浪
2020年 大井沢移住
手仕事(つる細工、わら細工、かんじき作りなど)に着手
2021年 KOKUMAの名で活動を開始
2023年 名鉄百貨店や東京で展示に参加
日本民藝館展入選
2024年 宿泊施設「KOGUMA」を開業

工 房

KOGUMA

山形県西川町大井沢1147

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工房の写真

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